水素エネルギーの使い道は?

最近では、ガソリンの代わりに
水素で走る「燃料電池自動車」や、
燃料電池自動車に水素を供給する
水素ステーション」、
ガスから作った水素で
電気と熱を利用する
家庭用燃料電池(エネファーム)」など、
水素のエネルギーとしての
使い道が広がっています。

燃料電池自動車(FCV)

燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)とは、水素を燃料として車載し、水素を空気中の酸素と化学反応させて燃料電池により発電を行い、電気を使ってモーターを駆動させて走る自動車です。
FCVは、航続距離(約850km)燃料充填時間(約3分)の面でガソリン車並みの性能を有しています。また、走行時に排出するのは水のみで、温室効果ガスや大気汚染物質を排出しないため、究極のエコカーと呼ばれています。

燃料電池自動車動作原理

(出典:いわて水素エネルギーのススメ)

トヨタMIRAI

(出典:トヨタ自動車株式会社)

水素ステーション

燃料電池自動車(FCV)は、水素ステーションで水素を充填することができます。
水素ステーションは安全上の厳しい基準を満たして設置されており、ガソリンスタンドと同様に安心して利用できます。
水素ステーションは、東北では宮城県仙台市などに整備されています。岩手県内にはまだ整備されていませんが、今後整備が期待されています。(2021年3月現在)

水素ステーション

イワタニ水素ステーション宮城仙台
c岩谷産業株式会社

家庭用燃料電池
(エネファーム)

家庭用燃料電池(エネファーム)とは、都市ガスやLPガスから取り出した水素を使って発電し、さらに、発電の際に発生する熱も活用してお湯を作り、お風呂などの給湯に利用する設備です。
水素を使って家庭で発電すると、遠くの発電所で発電して家庭まで運ぶのに比べて送電ロスが少なくなることなどから、省エネルギーで二酸化炭素削減効果が高いなどの特徴があります。
また、より発電容量の大きい業務・産業用燃料電池も実用化されています。

家庭用燃料電池(エネファーム)

(出典:一般社団法人 燃料電池普及促進協会HP)

水素は、災害への
対応にも有効

地震や台風など岩手県でも
大きな災害が起きています。
水素は災害への備えとしても
期待されています。

災害に強い
自立・分散型エネルギー

水素は、石油や天然ガスなどの化石燃料のほか、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って水から作ることができます。また、作った水素は、色々な形で貯めたり運んだりすることができるという特徴があります。
このため、例えば、大規模な停電が起きた時には、太陽光発電で作り貯めておいた水素を使って電気や熱を取り出したりするなど、既存の電力系統に依存しない、自立・分散型の災害に強いエネルギー源としての活用が期待されています。

災害に強い自立・分散型エネルギー

(出典:いわて水素エネルギーのススメ)

家庭用燃料電池
(エネファーム)
の停電時機能

停電に対応した家庭用燃料電池(エネファーム)なら、ガスや水道の供給があれば、停電した時でも水素を生成して発電し、家庭に電気やお湯を供給することができます。

停電時の発電イメージ

(出典:いわて水素エネルギーのススメ)

燃料電池自動車(FCV)の
非常用電源としての活用

燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)は、電気自動車(EV)に比べて高い外部給電機能(自動車内の電力を外部に供給できる機能)があり、災害時には非常用発電機として利用することができます。
水素が満タンのFCV1台で、一般家庭のおよそ7日分の電力を供給できます。また、FCバスは、FCVの約4倍の電力供給が可能です。この外部給電機能を活用すれば、災害時には避難所等に移動して電力を供給することができます。
※ FCV から外部に給電するためには、FCV で発電した「直流の電気(DC)」を「交流の電気(AC)」に変換して取り出すための装置(外部給電器)が必要です。

FCV

FCV

(出典:本田技研工業株式会社)

FCバス

FCバス

(出典:トヨタ自動車株式会社)